溜息橋/アラガイs
壁の巣を嫌い/打ち壊した人間が思い起こされた
夜は再々と過ぎ去っていく
べつにたいした事件も起こらなかった
ニュースからバラエティ番組に切り替えてみる
陽気な出演者たちの笑い声だけが響き
薄暗い空の景色を墨色に暈かして時は進んでいく
うざい炬燵板の上には読みかけの頁が積まれ
見てみないふりのぼんやりと目頭が霞む
日を越せば夜の闇にうごめくのは狢に インターネット
何度も天気予報をみては予想をくり返す
暮れそうで暮れない日々が
いつになく
また雨は降るのだろうか
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