新・保育所を探して/モリマサ公
で
月日がたちやがて薄れる記憶たちと同様に
なにも知らないままの闇はおちてくる平等に
窓の外には何の保証も無く
窓の内側でわたしたちは無邪気にただ笑う
あそこから
あそこまでの空間をよこぎるものを見る
髪をゆすいで毛布で眠る
あ
電話だ
インドネシアでおおきな地震があって津波で何万人もなくなったみたいだけど
森さんお父さんと連絡とれた?
大丈夫?
(目を閉じる風景に集中他はなにもない)
橋を渡る時必ず覗き込む水面の反射
沈んでいる自転車
群れたボラの子供にまじるアルビノ
どっからどこまでを今と呼ぶのかわからない
腕の中で乳飲み子が
泣き声を
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