ダウンフォース/ホロウ・シカエルボク
を孕んでいるのか―こいつにこれを書かせたものはいったい何なのか、そんなことを読み取ろうとしているのだ、結局のところ、あらゆる表現形態において、一番必要なのは熱量だということだ、下手では話にならないが、上手いだけでは何も残せない、書き続ければ書き続けるほど、技術や知識の話をしたがる連中が居る、シンポジウムでも開きたいのか?ノーサンキュー、ポエジーってもっと正直なものさ、でもそれは、分り易いということと同じではない…その時内奥に渦巻いているものをすべて差し出して見せるということだ、そのために数千文字の瞬間を生きるのだ、これがすべてだ、いまこの時に語れることのすべてだ…そうして初めて、狂気は大人しく引出の中で目を閉じてくれる、次の一行に手を付ける限り、迫り来る狂気に飲み込まれることは無い、出来る限り詳細に、その混沌について話してあげよう、実際、この俺だって、誰かが残した狂気のスケッチに震えて、最初の一行を書き始めたものさ…。
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