beautiful world/ミナト 螢
ひらひらと舞う桜に
頬を切られて
春なんだと気がついた
痛くない傷の後ろで
遠近法みたいに
並んでる思いは
順番通りに死ねない
好きなものを
好きでいるために
さよならを決めた
あの日の僕等
希望を育てても
絶望と名乗る時があるから
その両方を
抱いてあげれば良かった
丸くなった思いと
尖っていく鉛筆は
漫画になると思った
倒れた心に
窓があったら
泣けていたのに
見上げた空と雲は
希望と絶望を
区別しないまま
同じドレスを着ていた
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