いちごシロップ/fujisaki
 
色あせた政治家のポスター
が見つめる こうえんからまっすぐにのびていた道は
とうきょう行の 一方通行で
希望だった
このどうしようもない こうえんの周りで
くすぶっているはずじゃない わたしは
とうきょうで女と寝たり寝なかったり するはずで
母のいない 小さなアパートで
息をひそめ 

忘れていくはずだった

こうえんの側溝に捨てられていた
濡れたエロ本を枝で持ち上げて 
鬼ごっこをしながらわたしたちは学んだ
ヒーローはいつも あたらしいことばをもってくるやつだった
わたしのなかに住むようになった 女たち
しばしば
わたしを つれていった

けれどいま

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