長岡叙景/れつら
かつての仕事の途中の駅
ベンチでうっかり座っている
座れたら座る
座れないからこれまでは座らなかった
煉瓦造りの
イミテーションの屋根
屈んでみたら駐輪場だった
布マスクのおばちゃんが半分ずらしてお茶を飲む
高校の制服のお嬢さんが
髪が風みたいになびいて
またも口もとはみえなかった
携帯のケースが白茶けたシリコンで
いなくなったあとに清潔な不織布をした若い男が座った
髪型もきまっている
モバゲーもしている
すぐに僕はスポーツをしたいと思う
けれど少し酒を飲んだので
天満宮へいくよりほかにない
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