柔らかな硬さ/
ひだかたけし
静かに沸き立つ
底知れぬ欲望在り、
身震いしながら
受容する僕は
未だ生半可な途上の者
内面の旅程は外界のそれと呼応し
水晶の面を滑りながら内部を見通す
日が沈み隣家の明かりが灯る頃、
移り変わる新緑の深みの
そのひっそり繰り返す
呼吸の響き聴こえる。
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