夜の弱さへ/由比良 倖
 
音楽の中に消えていく。
海や枯れ葉や落ち葉が好きだ。
細々と、枯れた根っこのように捨てられる、
プラスチックのボールペンのような、
私が好きだ。


私たちは小さな電球に手をかざして、
心を信じる振りをした。
それが幻想であったとしても。

静かな、言葉に出来ない正しさを、口にする必要も無く。

宇宙生命体の輝かしさのために死ねるだろうか?
ロボットの奥ゆかしさのために死ねるだろうか?

真実を知るために、私たちはとても饒舌になって、
いつかは消えゆく街の、悲しい静けさを忘れてしまう。

それから朝の優しさと、私がひとりであることと。
粒のように消えていく運
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