新来/あらい
、試みる、けれども。
【なにも ねえよ そうだな そうだろ】
大通りから三叉路へ、標識を辿って険しい悪路を、のろのろと降下して
いくのだと後にいう。曲がり角には瓦礫がそぞろと列をなし、陸路は
そのうち海と開く。それまでの点の移動。その階層に勝手 線を引き
果てを決める。何層もの放物線は曲がるだけ、どこまでも交わらない
〈針金と 撚糸と 導火線の、胤〉
毳立って剥げた、ところどころから、
私が這えてくるような かたち。
天から地から 〈輝かしく深く伝染る〉
ほたほたと取り零した重力は感じさせず
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