チャーハンを待ちながら/
宮木理人
熱く燃える中華鍋が激しく振られ
僕はチャーハンを待ちながら
卓上に置かれた
油まみれの醤油差しを睨みつける
それは宇宙の黒と同じで
僕の心臓の真ん中にあるものと繋がっていた
チャーハンを食べ終わったら自転車に乗って
知らない街へ行こう
鍋の上で黒く焦げる醤油
僕はもう一度僕に返ってくる
銀河系を何度も通り越し
激しくヴァイブレーションしながら
僕に返ってくる
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