RAIN SONG。/田中宏輔
とのできたママを憎んでた
そうしてパパを責めてたつもりだった
ぼくはとても卑劣な子供だった
雨の日、あの日
ぼくはママといっしょに
歩いてた
あの日、ぼくは
敷石の上を跳び越えなかった
ぼくは、ぼくが
ママのことを好きだったんだってこと
ずっと前から気がついてたけど
いや、そうじゃないかなって
思ったことがあるだけなんだけど
雨の日、あの日
ぼくにははっきりわかったんだ
ぼくは、ぼくが
ママのことが好きだったんだってこと
雨の日、あの日
ぼくはママといっしょに
歩いた
あの日、ぼくは
なるべく、ゆっくりと歩いた
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