この朝に/
ひだかたけし
軽やかな青、
白雲の残影に流し込まれ
この朝の始まりを告げる
僕はてくてく歩く歩く、
あちこちに
白い、赤い、紫の
花たち 咲き誇り
この春の豊穣な世界
輝き出る光に
明けて、開けて
空の青み
悠々と広がる頃、
意識はもう
街を世界を包み込み
葉桜に近付いた桜に
たおやかな季節の成長の響き、
平静な眼差しで聴き取る
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