異邦の人/ひだかたけし
 
じんじん 痛む眼だ、今日は

曇天に陽射し 明るみ
時はチクタクチクタク

神経障害にて冷え切る肉、手のひら
手袋被せうずくまる、道の途中

澄んで綺麗な女の人、通り過ぎ
眼を奪われる、いやでもそれでも

時は進みチクタクチクタク
空の青 ぽっかり広がる頃

わたしは私というそんざい覗き込む

遠く帰属先はとっくに奪われ
優しい母の手の熱、忘却され

新たに進むこの未知、

わたしは私に 誰? と問い掛ける


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