そいつのリズム/チャオ
 

指で、かつかつ、床をたたいていた。
時計の音がちくたく鳴った。

太陽の声が窓に差し込んでくる。
昆虫が飛び跳ねると、物音がする。ばさっ!
ちょうが壁にぶつかる。

男は、森から逃げた。
女は泣いている。

そいつは歌うことなんて出来なかったが、
そいつは音を鳴らした。
太陽の声が差し込んでくる。鳥の羽ばたく声が反射する。
光が交錯する。
湖の鯉が跳ねる。地面が揺れる。

そいつは、結局、次の日から、昼ごはんを家で食べることにした。
そいつは机にいすを近づけて、落ち着かない様子で窓を見ていた。
ひざが上下に揺れだすと、食器と、机は歌いだした。

そいつは、羽になりたいと願う。
揺らし続けたら、きっと、空中に浮くんじゃないかと思って

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