そいつのリズム/チャオ
 
空中に持ち上げられた、
そいつの、苛立ちが、
そいつのリズムに宿った。

林の道を抜けると、池があって、
そこでそいつはいつも昼ごはんを食べている。

お昼ごはんは、雨の日にだって決行されて、
楽しみというよりは試練みたいなものになっている。

そいつは、空中のハエを取って
眺めては、池の鯉のえさにしたりしている。

昼ごはんを終えると、
林の道を帰り、森の家にたどり着く。

森の家では、知らない男女が寝ていて、
勝手に囲炉裏に火を燃やしていた。

そいつは、いすを机から遠ざけて
そいつはその場所から遠くはなれて、
玄関の、
靴が散らばった、
惨劇を見
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