今日は土曜日/坂本瞳子
涙が流れないことに
自分が一番驚いていた
泣きたい気持ちが
確かにあるのに
消化不良を起こしているようで
不快な
とても不快な気持ちが
自分の胸の中で拡がり続け
爆発させたいほどの
悲しみと怒りが交差し
どこへぶつけていいやら分からず
空を見上げていいものか
月も見つけられず
星の欠片さえ見当たらず
冷たい風が吹き付けた
そんな夜に孤独を抱いて
ただ一人街を徘徊し
感情の赴くままに
気持ちをぶつける
矛先を探してみるけれど
やりきれない気持ちばかりが募り
挙句の果てに雄叫びを轟かせ
ああもう自分は人にあらずと
あきらめかけたそのとき
出会った朝陽に救われた
この気持ち
この身体
清々しいほどの陽光を
この身に浴びて
溢れんばかりの太陽を
燦々と身に心に
染み渡らせて
幸せな週末を迎える
独り占めする喜びを
噛み締めて
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