読むことのスリル──ひだかたけし小論(8)/朧月夜
 
第七章……そもそも詩とは?


 再び、秋の夜です。「〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖(改訂8)」」という詩を批評し終えて、わたしは少なからずほっとしています。この批評はリアルタイムに書き進めていったため、あるいは言い足りない部分、説明しきれていない部分はあると思うのです(*1)。たとえば、この批評が五千字という文字数を決められていたら、わたしは起承転結をもって論を進めていったでしょう。ですが、幸いにも不幸にも、わたしは自由にこの論を書き進めてきました。
 わたしは、「ひだかたけし氏の詩と時間」「生まれながらの詩人はいるのか?」ということを主要なテーマにして書いてきたつもりなのですが
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