drop/ミナト 螢
 
いつも優しくなれなくて
ざらざらしている舌を
外に出せるほど幼くはない

昨日の影に怯えながら
誰かの愛を求めても
オブラートみたいに包めない

きっと破れて
光の方を選ぶでしょう

手を繋いだり
頭を撫でたり

ふとした仕草が
描く曲線で
地球は丸くなる

はみ出した僕は
棒のように
立っていた

それが恥ずかしくて
すぐには直せなくて

寂しさを育てたら
いつか旅に出るのを
見送りたくなった
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