燕たち/soft_machine
水 あつめるところから暮らす
俯く 嫌 こころ写すから
窓や雲を数える 迷うまで
何かの粒とうがいに使われた
白っぽい水が
くり返し吐き出され
洗面器を満たしてゆく午後
わたしの中で絡んだ気持ちも
まるでコンクリートのように
気持ち悪く吐き出され
ぴち、ぴちと跳ねる
めくる頁にあふれる翼で
やわらかい鳥よ
見もせず動くのだった
呆れるほど正直に
泣いたり壊したり
まとまらない考えを
さらにほつれさせ
立ちつくすのだった
そんなわたしを
見ていた老犬が
ネクタイを咬んで立ちあがり
黙ってついてきた
剥がせない仮面を被せるのは誰
人との無数の
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