花芽のうた/
ひだかたけし
朝に桜並木を通るたび
垂れ下がる何本かの枝に
無数育つ花芽を観る
今朝に花芽はもう目一杯、
膨らみ茶黄色に揺れながら
花開くその時に備えている
沈黙のうちに生成し
盛り上がる命の渦に
無数無数のそれら佇む
見えるものの様相に
見えないものの響き
辺り一帯に放ちながら
花芽、
今にも時 裂かんばかり
しずかゆったり揺れながら
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