刺激のあるものが食いたいって誰もが思うけど/ホロウ・シカエルボク
タと笑っていた
ガトリングガンは落ちていなかった
仕方がないので改装中の店舗の入口にあった
バールのようなものを手に取り
ホームランと叫びながらフルスイングした
金髪の若者は金髪ではなくなり
路地裏の雀と同じようなものになった
先を歩いていた若者の仲間たちが振り返り
倒れた仲間を見て悲鳴を上げ、腰を抜かした
バールを持ったまま走って
人気の無いところで廃屋の排水パイプの中に隠した
指紋ががっつりとついているだろうから
家に戻り、水を一杯飲んだ
何をやっているんだとぼんやり考えた
選択としてはなにひとつ最善とは言えなかった、けれど
なんだろう、この愉快な気分は
しばらくの間大声で笑った
夜中だということも忘れていた
それからインターホンが
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