その先へ/ミナト 螢
 
寂しさと
同居しているから
楽しいことが
分からない

僕だけは
理由がなくても
空っぽなまま
バスに乗る

揺れて
気持ち悪くなって

いつもの場所で
降りたことを
悔やむくらい
良い天気だった

雪解けが進む
水溜りの中で
忘れ去られた手袋が
何かを指差している

きっと意味なんてない
それでも誰にも
振り向かれずに放った
迷いのない
そのサインを

僕が盗んでも
良いのだろうか
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