私の名は、スタヴローギン! (2023年改訂版)/atsuchan69
焼いた
燃えおちる藁葺の屋根 また燃えおちる 燃えおちる
イナゴは旋回し、また もどってくると
村から森から一斉に機銃掃射を行った
逃げまどう村人に口封じの射撃を無差別につづける
将軍に、
ささやいたのは もちろんこの私
新兵器の 単にテスト
が目的だった
同様に、社会構造を操る目的で
私は
「正規」「非正規」の言葉をひろめはじめる
やがて訪れるだろう新時代!
奴隷 管理者 超人
この枠のなかで 人はもはや人ではない
私はこれらの悪の所業によって神々に等しく、
恐れるものもなく 安穏とした日々に歳をかさね
一本の指先でこの星をもてあそぶ
未来も 過去もなく
ただ、
映画「ドッグヴィル」を観たあとのような、
後味のわるさのつきまとう なんだか嫌なかんじ
いやこれは夢なのだ。
初出:文学極道 (2006年4月)
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