そのメロディラインに沿って(改訂)/ひだかたけし
 
その
メロディラインに
沿って
はっきり
きっぱり
目覚めていく

記憶の奥底
過去のことは
個人の・歴史の
罪荷を背負い
ただたましいだけに
降りしきる
雨に濡れ
あつく
あつく
波打って

渦巻く声の木霊
硬質に刻むビート
アルペジオは流麗に節くれ立ち

目覚めた
意識は
抱える廃墟を
少しずつ
壊し
内に潜む
太陽と月
方途に
より深部への
途を探す

その
メロディラインに
沿って

そのメロディラインに沿って

冷え冷えと
熱く熱く
覚醒した
意識が
降りしきる
雨に濡れ
決して届かない
底無しの
魂ヲ
天に掲げ
凝視する


地を彷徨う己に
計り知れない高みから
雨は降り続けて、

雨 降り続け









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