詩は生きる(改訂)/ひだかたけし
霊性の滴り、夢の底
貴女は間近傍に居て
輝く星辰を眼差して
爆発し続ける星辰を
渦巻く宇宙の生動を
*
砲弾が飛び交う地に
今、幼子の血は流れ
積み重なった小さな骸が
絶対の虚無を曝け出す
言葉を失い、表情を失い
ただ立ち尽くす人々
彼らを救える者は誰もいない
*
霊性の滴り、空爆の地
貴女は遠く遥かに居て
輝く星辰の中に住まう
血塗れの大地に
哀れみの縁取りを投げ
(貴女は霊性の高みから
あるいは霊性の奥処から
ひたすら自己を見つめ
見つめることで
己の何者かを告知する
貴女にはもはや鏡は不要なのだ)
鐘の音が今、厳かに鳴り響く
詩は生きる、
この無力とこの高揚の分裂のさなか
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