百年先の孤独/
ミナト 螢
何処にいても
居場所がなくて
眠る時だけ
楽になれた
逃げるように
毛布を抱いたら
とても暖かくて
夜には夜の
処方箋があった
それでも
ひとりで
生きるために
朝を好きになる
目が覚めて
魔法を唱えず
起き上がる
記念写真も無い
殺風景な部屋が
恥ずかしく思えた
胸の中にある
思い出は
どれも形に
なりたがらない
そんなこと
誰が信じるものか
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