土と銀/
ただのみきや
捨ててあった
女の裸のように吸い寄せられて
わたしはなにをさらすのか
畑と雑木林の間でバラバラになって
ああ腸は蛇
心臓はうさぎに
だが天へ開いた鳥籠はいったい
あの過去からの
美しい甲虫の鞘翅に似た輝きを添えて
黒焦げの礼拝者を模倣する
十指の壺 歪なる喪失──
鈴を噛む女 せめて瞬きの間だけ
(2023年2月25日)
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