井戸/soft_machine
そうだ
井戸だ
積みよい丸さを選ばれた
誰にも知らされず
あんな遥かな断面
無口に反射する逆光
誰の表情
わたし?
水の回転の向う
見つめる瞳があるのを
つまらなく考えず
明日への夢もなく
駐車場で空を掻いていたい
誇り高い
夜走獣のように
投げ上げられた
礫たちが
静止する正確な瞬間を
数式に頼るのは容易い
けれど
指のさきから
落下は起こる
君の柔らかな骨の繋りに反して
犯行は何となく直線的だが
つんと澄む
ベッドの隅からずり落ちるまい
指を預けた?で
冷たい空は
湧きあがる
雲に爆ぜた
稲光が捉えた
そうだ
井戸だ
締めつけられる
湿っぽさに
換気が遮られ
何度
世界に置き棄てられようと
そうだ
井戸だ
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