カバンの詩/
ミナト 螢
鳥かごみたいな
カバンの中に
大切な本を
持ち歩きたい
部屋の隅で
広げた世界を
丁寧に折り畳んだ
それはまるで
スカートの裾を
抑えるように
風の誘いを断った
カバンを持つ手が
強くなる
本のページから
飛び立とうとする言葉は
その重さを
僕にくれた
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