CLOSE TO THE EDGE。/田中宏輔
なる●金魚●じゃなかった●ぼくの喉の地下室には●フランク・シナトラ●目や●耳も●呼吸している●息と同じように●目や●耳も●呼吸している●呼吸しているから●窒息することもある●目や●耳も●呼吸している●白木みのる●ってあだ名の先生がいた●ぼくと一番仲のよかった友だちがいた研究室の先生だったけど●とっても高い声で●キキ●キキ●って鳴く●白木みのるに似た先生だった●ある日●その先生の助手が●こちらはものすっごく顔の大きなフランケンシュタインって感じね●学生実験の準備で●何か不手際をしたらしくって●その先生に●ものすごいケンマクでしかられてたんだって●「キキ●キミ●その出来そこないの頭を●壁にぶち当てて●
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