CLOSE TO THE EDGE。/田中宏輔
から知を流しつづける●血だ●友だちのフリをする●あのとき●看護婦は●ぼくのことを殴った●じゃなく●しばいた●ぼくの病室は●全身で泣いて●ぼくの涙が悔しくて●スリッパを口にくわえて●びゅんびゅん泣いていた●ああ●神さまは●ぼくがほんとうに悲しんでいるのを見て●夕方になると●金魚の群れが空にいっぱい泳いでた●神さまは●ぼくの肩を抱いて●ぼくをあやしてくれた●ぼくは全身を硬直させて●スリッパで床を叩いて●看護婦が●ぼくの腕に●ぼくの血中金魚濃度が低いから●ぼくに金魚注射した●金魚は●自我をもって●ぼくの血液の中を泳ぎ回る●ていうか●それって●自我注射●自我注釈●自我んだ●違った●ウガンダ●どのページも●
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