CLOSE TO THE EDGE。/田中宏輔
●ぼくの声が離れているからか●ああ●聞こえないではないか●そんなに遠く離れていては●もう詩を書く人間は●ぼくひとりだけだ●と●笑●ぼくの口のなかは●たくさんの母親たちでいっぱいだ●抜いても抜いても生えてくる●ぼくの母親たち●ぼくは●黄ばんだパンツ●の●筋道にそって歩く●その夜●黄ばんだパンツは●捨てられた●若いミイラが●包帯を貸してくれるっていって●自分の包帯をくるくる●くるくる●はずしていった●若竹刈り●たけのこかい●木の芽がうまい●ほんまやな●せつないな●ボンドでくっつくけた●クソババアたち●ビルの屋上から●数珠つなぎの●だいぶ●だいぶ●死んだわ●おだぶつさん●合唱●あ●合掌●だす●バナナの花
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