鉱石と憎まれず/よるもと
これといって単調だったのに、星屑のシャキッとした鉱石が歩いてきて、すこしくろい、やや憎まれずの口からでるスライスカッターに皮膚を裂かれていた。鉱石はひぇんひぇん涙をながし、憎まれずは拗ねて勉強をはじめた。(憎まれずはいつも怒られるとそうする)。するりと解決しないのはわかっていて、悲嘆な、やさしい母は、立ち往生した。わたしは口を噤んで、惑星がくるくると宇宙をまわっているのを空想するしかなかった。
ためいきはたれかのしんぞうにササルのなんでわかんないの?
母の苦労には同調して、一心してやってくる深緑色への明日を邪魔するかなとおもいつつ2階へあがった。少し会話を交わし、やさしい母とわたしのあいだに天の河のながれが漂いはじめた。母はひよわな小鳥をみせてくれた。そうしてくれたら充分だった。わたしはコンビニでたべずじまいだった小さなパウンドケーキを渡した。
母は笑った。
鉱石も憎まれずもよぶんなポケットをもてず毎日いがみあって、わたしはもう長らく知らん振りをしている。解決策は探さない。ふうんと呑み込みながら、また単調をこなしていくだけだろう。
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