シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
 
ぞ」
寿々芽「――すみません」
穣一「ほら、変態くんがおいでなすったで」
   浩紀が騎手たちにいじられながらやってくる。
浩紀「寿々芽ぇ、あれはないやろ」
寿々芽「事実じゃないの」
浩紀「事実って、おまえなあ、レース中やぞ」
寿々芽「レース中に言われて困るんだったら、寮の
 中でも自慢げに言わなかったらどう? わたしだっ
 て一応女なの。少しは気を遣ってよ」
浩紀「……悪かったよ」
   検量室を出かける寿々芽。
浩紀「待ちぃや」
寿々芽「え?」
   右手をかざす浩紀。
浩紀「コングラチュレーション」
   寿々芽、浩紀をじっと見ているが。
寿々芽「サンキュ」
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