なにかを考えるとき、もう時計に目をやることはないだろう/ホロウ・シカエルボク
求めなければ、意味は意味にもなることなく死に絶えてしまう、一度意味にならなくなった意味は、あっという間に時間の中に埋もれて行ってしまう、聖堂の中をすっかり見てしまうのにあまり時間はかからなかった、一番奥にあった便所で錆びたトイレをアンモニアで洗った、神は死んでしまうとどんなものになるのだろうか、それとも死ぬことはないのだろうか、それでは神を語るための場所であるここは、使われていた当時と今ではどれほどの違いがあるのだろうか、終わってしまった聖堂の中で繰り広げられる祈りはどこへ通じるのだろう、建物の中央で天井を眺めていると、生贄になったのは雀ではなくて自分だったのだという気がした、そんなことはどうでも
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