言葉の強度や輪郭のことについて/ねことら
 


外枠がある程度の強度で確定したから、あとは色とりどりのボールを詰めた。ここそこに刻む、文字のことだ。二進数的な歩幅で累乗に積み重なったそれは、借景となって僕らの街を覆っている。

僕らは言葉の外分と内分の、その稜線で生きている。対象と被対象の距離は、意識や振る舞いによってゆるく伸び縮みし、そのたび会話やメッセージのやり取りは、山なりの孤を描いたり、鋭角に段落やキーワードにスポットを当てたりする。透明な格子状の世界。あるいはゆるく喉輪を締め付けるロープによる連帯の世界。

言葉は一瞬前を描写する。その時々の輪郭や影は、描写する者の視線によって微妙に揺れ、曲がり、対象と被対象の距離を欺
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