おひっこし/soft_machine
 
時々 要らなくなる
大人と不実
沈黙する子ども

身を伏せたところ窪みが
分かれはじめた
校医の胸の尖で
放送室の鍵を回す これで
訪れる別離

別の組を 遠くに眺めた
学年の差 それは国境に等しく
同じ造りの校舎裏で
放り出される
成長の哀しみ
時間を戻れても
ひとり真昼に迷う
気づけば私も 要らない子

特別なきもちの 友だちに
引越しの挨拶が
出来なかった罰

初めて 人に
好きだと告げる ずうっと昔
何かひとつ 丘のむこうで
ぽつん 置きさる




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