夜想14・キッチンの光景/
ひだかたけし
しゃもじ コップに入れられすっくと在る
グラス 今さっき氷盛られまな板の上に在る
白いまな板の 白 の 浮遊
空間に
訳なく私の 意識、凝集し
わたしそれらのなかに入いり
それらわたしのなかに入いり
しゃもじ グラス まな板 白 私
くっきり輪郭保ち それぞれに在る
静かさの沈黙に孤独は無く
ただ自ずと眼差す眼 感じ
夜陰キッチンの名指されるもの、
訳なく入いり入いられ 今 名も無き在るモノ
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