A DAY IN THE LIFE。―だれよりも美しい花であったプイグに捧ぐ/田中宏輔
●森川さん●過去の出来事が自分のことのように思えない●って書かれましたが●たしかに人生ってドラマティックですよね●齢をとってもいいことはたくさんありますが●じっさいにそれがわかるのもそのうちのひとつでしょうか●ぼくは●自分の日々の暮らしを●日常を●劇のように思って見ています●いまは悲劇ですが●いつの日か喜劇として見られるようになりたいと思っています●二十年以上つづけていた数学講師を●この2月に辞めて●3月から違う仕事に就きました●こんどは私立高校の守衛所の警備員です●まだ一週間しかしていないのですが●仕事場の洗面所の鏡に映った自分の顔を見て驚きました●まるで死んだ鶏の雛の顔のようでした●小学校
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