human being/竜門勇気
話し疲れ、悲しみ疲れた窓に
初めて肩を抱かれた、夜
キメラの憂鬱に憧れて
焦げたフライパンに玉子を落とした
傷つき飽きて、しまった
もう痛いことも特別じゃなくなって、しまった
庭で拾った木の枝をコップに入れて
透明なスピリッツを注いだ
特別で新しいにおい
不完全で継ぎ接ぎだらけの愛着
血管の中の箱庭は
焦げたたばこの葉っぱ
夜に鳴く、けだもの
遠くで列車が消えていく
瓶の中でガスのキャップが外れる
歩き疲れ、嘆き疲れて乾く
壊れた警告灯、夜
盗賊の爪に詰まった砂粒が
焦げたフライパンに玉子を落とした
ヒドラの住処では誰だって
多分、人間扱
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