Listen/あらい
 
まれているいばらの道にある螺旋階段を、硝子の靴で駆け上がると
掛け接ぎだらけの日常が滑落していく光と影がまた、不可視に
ひび割れだらけに貼り付けられて、いろめくように、疾走らせる
一瞬だけの瞬きが、歪み撓んだ弧を画き、スパンコールの鱗粉や
嘴らしき歯牙を失くしたざわめきが、手相の余波を伴い流れていった

廻り続ける季節に彩られた幽微の櫓、鳴き砂の花園、燃えるような風紋の万華鏡の、
華の黙祷が、コレほどまでに狡く手酷くて美しいとは。
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