泥の空想/
水宮うみ
四足歩行から二足歩行へ、いつの間にか背が伸びて、視界は地面から離れていった
地面を手放して、人工的な空を話す
泥や砂にまみれた手で作った空想は、どこかで今も呼吸しているだろうか
具体的な空想は抽象的な現実に替わり、本当の空を忘れてしまった
そんな空っぽの手のひらが、懐かしい風の音色を想い出している
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