初期化の螺旋/
ただのみきや
に刺さった白い体温計
詩は卒塔婆と目を覚ました水銀の
糸を切れ すべての糸を
斬首された音が文字となって転がる丘
あとかたもなく息を乱し馬乗りになって
あの金の恩寵降り注ぐ世界の裂け目釘痕で
磨き上げられた自虐の球形となり得たなら
帰って来い 自分の中を血の海にして
雪の処女性をまとう死者
絶えずあざむく真実として
(2023年1月21日)
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