エンドロール/soft_machine
 
そっと触れたフイルム
息を漏らせば
歪むモノクローム

濁りはじめた瞳に
顕れるのだから
風の露光不足
硝子性の画角
色を引き摺る喚声が

割れてしまうのだから
影の自己記録に
包帯
旋律
異国からの雨が
追放する土鳩

草はまだらに刈られ
転がる月は海に灼かれ
子どもらの細くみじかい腕から
零れる砂
滲むレンズの
もう片方を遡る
エンドロール

通り過ぎたのは何故
解かれた縫目
宙を滑り落ちる車輪を
人と繋ぐものを
此処に失い
緩やかに距離をひろげ
いつか砕けながら




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