楽 譜/塔野夏子
 
五線がある
君はそこに音符を置く

   それは仄昏いどこかからやってきて
   君の感覚を通過するとき
   音符のかたちをとったもの

君は識っている
その音符が
鍵盤と指とを通過するとき
ひとつの燦きとなることを

   君はまた別の音符を置く
   休符を置く
   さまざまな記号を置く

数多の音符を 休符を
それらを彩るさまざまな記号を
鏤められて
五線は銀河になってゆく

   五線はどこまでもつづいてゆく


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