夜/暗合
泣くとき、実はそれを期待している私を常に意識している。涙を出すのは気持ちいい。涙が透明な理由が分からない。そんなにキレイじゃないだろう。
夜が私の中に侵入しようとして、妨げるのにズイブン必死でしたよ。私は、私の殻が出来たから、もう大丈夫なの。この中には何も無いの。叩けば乾いた音がするでしょう。私はもう大丈夫。カスれてザラッとした質感。音を聴いていると、足の先っぽからザラザラ砂になって、砂漠の中の小山に私はなります。風が吹いてきたの。私の一部が飛ばされた。でも大丈夫。私は大丈夫。境界線はもう分からなくなった、世界の全てが私です。世界が好きよ。人間が好きよ。あの人が私の中をスタスタ歩いていって、一本の道をつくった。この道が好きだ。すぐに、また風がやってきて、遺留品を壊すけど、この感情を私は忘れない、忘れたくない。
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