幸福のありか/朧月夜
 
月の満ち欠けに思いをたくして、
わたしのこころは欠け、
また満ちる。

思い出のなかに、幸福はあったか?
いや、幸福などというものに、
価値はあったか?

月の満ち欠けに思いを尋ねて、
わたしのこころは問い、
そして答える。

幸福などという幻に、
取りつかれてはいないのだ。
ただ生きるように生きている。

そんなわたしの慰めは、
冬の夜空に光る星たち。
真夏のスモッグは今はなく、

夜まで清澄な空気が続く。
そして迎えられる、
天国の門に。

そこを潜り抜けることは、
針の穴を通るよりも難しいという。
最初から諦めを……と、

彼の人は言い
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