幽霊は死なない/ホロウ・シカエルボク
 
、なんてものに真実はひとつも無いのだから

取りこぼした詩のなかに本当は
取りこぼした詩のなかに本当は
書かれるべきことがあったのだと思うたびに
俺はなんて迂闊なのだろうと歓びのように感じるのだ
その時拾えなかったもの、その時気付けなかったものたちが
こうして俺をここまで生かしてくれたのだから

俺自身まだそのことにきちんと気付いてはいないが
俺自身の終わりは確かに近付いている
けれどそんな終わりの予感は
これまでで一番確実な始まりのようにも感じるのだ
躍起になって指先を動かしていた頃よりもたくさんのことを
一度に焼き付けられるようになった
それはおそらく
俺という
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