幽霊は死なない/ホロウ・シカエルボク
 

泥にまみれた古い金貨を
拾い上げて水溜りで洗った
鈍い輝きは人々が
はるか昔から同じ夢を見ているのだと歌う

そいつをポケットに入れて
自然公園のベンチに腰を下ろし
出鱈目な口笛を吹いていた
ポエジーはとめどなく零れ落ち
掬い上げる暇さえなかった
コートの袖はほつれていて
強い冬の風で踊り続ける糸くずは
しょっちゅう気持ちの悪い虫のように見えた

商業利用されるジョンレノンの終わり

数日前
この地方には珍しいほど降り注いだ雪のあとが
歩道橋やビルの合間で
蓑虫のように死のうとしていた
世界は常に塗り替えられる
ろくに変われないのは人間たちばかりさ

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