夏の部屋/tonpekep
夏のとおい空に
誰もいない部屋あって
積乱雲の斜面に
眩しい青春が引っかかっている
ぼくは懐かしく見つめたりしてる
2Hの鉛筆で描いた
チーターが
風の中を奔っていくとき
遡れば
とおい夏の空
ジュラ紀の雲
27世紀の自転車
ぼくと出会い続けた
涙なんかが海になるほど
気の遠くなる時間
打ち寄せる波が次々に
人の形になって
岸に上がって
努力するけど
一歩も歩けず崩れ水飛沫
じゃあ バイバイ
そうやって
自分自身をひっくりかえすと
例えば昨日が明日になったり
明日が昨日になったり
したり
渓谷に美しい円盤の飛来と
すれ違う
あげは蝶の群に
シャッターを押すとき
ぼくは悲しい形で作られているばかりじゃないと
笑ったりする
去っていったりする
小さな時間の一粒一粒
言葉の中に逃げ込んだりするキボウ
生きていくためのセックスと呼吸
そこら辺りに見られる
ぼくの自覚
夏のとおい空に
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